しかし、いつもと変わらず無事、家にたどり着いた。


私は慌てて窓から外を見た。


電柱に寄りかかるように、黒いコートに黒いハットを被った男性が立っている。

サングラスを身に付けていて、誰かは特定できなかったが、路灯の明かりで照らされた男性の唇が、こっちを見て、大きく歯を見せながら笑う。


私は即座にカーテンを閉めて、布団に潜り込んだ。