「政宗、撃て」 濡れることなど気にせずに水辺へと侵入する。 相手の隙を見逃さないように、ゆっくりとにじりよる。 これ以上、逃げられては厄介だ。 そんな心を無視してどんどんとあいつは奥の方へと入っていく。 ああ、だめだ。 もう…国境を越えてしまう。 「政宗。俺を、撃て」 その声は悟る。 もう限界なのだ、と。 じわりと視界が滲む。 覚悟を、決める。 右手を少し上にあげて、勢いよく振り下ろした。 「撃て」 一斉に飛び交う銃弾。 鼓膜を破りそうなほどの銃声。 「父上!!」