近江はきゅっと帯を縛ると、にっこりと微笑みながら琥珀を見上げた
「今から琥珀様には、鬼神院様に会ってもらいます。……鬼神院様はご存じですか?」
「うん。知ってる」
「頭領になるには、鬼神院様の了承を得なくてはいけません。百鬼家の者ならば、誰でもなれるのですが……」
「ですか?」
「琥珀様は女人です。代々頭領は殿方だけがなるのです。でも、前頭領には男児がおりません」
近江はゆっくりと立ち上がり、真っ直ぐに琥珀を見つめてきた
「男児がいないため、百鬼家直系である琥珀様と優れた男鬼で、どちらが頭領に相応しいのか審査することになりました」

