【第二部】鬼に愛された女



だが違った


白雲は鋼に殴り飛ばされていた


「琥珀様、ご無事ですかっ!?」


すかさず鋼は琥珀の元に駆け寄り、身体を起こさせた


「ごほっ、こほっ……。へ、へい……き……」


急に肺に空気が入った所為か、琥珀は咳が止まらない


琥珀は自分の首に手を当てて、なんとか気持ちを落ち着かせる


「琥珀様。本当に大丈夫なのですか?」


「うん。……大丈夫」