【第二部】鬼に愛された女



琥珀は黙ってその手をとった


「どうぞ」


頭を低くして上げられたら御簾をくぐり抜けて部屋の中に入った


琥珀が部屋に戻ると、鋼は御簾から手を放した


「ではこれで失礼します。他にも見回らなくてはいけませんし」


静かに戻ろうとする鋼を琥珀が止めた