「頭領、か……」


夜空を見つめてそう呟いた


「……琥珀様?」


「鋼……」


聞き慣れた声が琥珀の耳へと入ってきた


「なぜこのような所に?」


目を見開き、血相を変えて近寄ってきた


鋼が驚くのも無理はない

こんな夜更けに、扇を持たずに御簾から出ているのもあるが、肌寒い夜に一人で外に出ているからだ