油絵の具のにおいが あたしの鼻をいたずらにくすぐっていった。 車椅子の少年は、ゆっくりと、あたしに近づいてくる。 そして右肩をそっと差し出した。 「な、何?」 あたしがたじろぐと、彼は涼しげな爽やかな笑顔を浮かべる。 薄い唇に、切れ長の瞳。 すっとした鼻筋。 色素の薄いしなやかな髪が、 さらさらと揺れた。