夏は苦手だ。



体からの熱があたしが生きていることを教えるから。


トントン

アパートのドアをノックする音に、

あたしは目が覚めた。

「何か支払い忘れたっけ」

真っ先に請求の業者の来訪だと思うあたり、日ごろの行いの悪さがあらわれてるな、とあたしは天井をのんびりと眺めながら思った。


ドンドン