「チハルちゃ…ん」


ぐすぐすと
彼女は泣き始めた。


「ずっ、ずっと好きだったの」

「はい」

「ちっちゃい頃から、
あ、あたしに優しくて」

「はい」

「だからとられたくなかったの」


「…はい」




あたしは
仕事の時間ぎりぎりの時間まで、
ひかりさんを抱きしめていた。



今まで
誰かに
見つけてほしくて、
愛されたかったあたし。



今は
少しだけ

少しだけだけど
まわりが愛せるような気がするんだ。