「あたしねぇ、 事故の前、 一応彼氏がいたの」 ひかりさんは また前を向いて歩き出す。 結構モテたから とっかえひっかえしてたわ、 何かをごまかすようにね、 とふふっと笑った。 「けど、 あの事故の時ね、 実が私をかばってくれたの。 あの子は優しくて、 ただ単純に 家族である私を守ってくれたの。 それだけなの」 ひかりさんの背中にある、 ただれたやけどを思い出す。 多分、 実は、ひかりさんを無傷で守れなかったことを どこか後悔してるかもしれない。