俺はいつの間にか榎南を抱き締めていた。
俺があんな我が儘言わないで、榎南がそのまま家に帰っていたらこうはならなかった…
そんな後悔が頭の中で浮かぶ。
「ごめん…」
そう俺は呟いた。
でも榎南はその意味が分かっていないようだった。
『な…んで謝るの?』
そんな声が聞こえてきたけど、理由を伝えず。
「何でも無い…」
その言葉と一緒に抱き締めている手をほどいた。
熱が気になって額に手を持っていき、反対の手で体温計を取った時…
『なんで体温計がそこにあるの?』
……。
違う意味で受け取った榎南に俺は急いで代弁する。

