『...っ』







私が伝える言葉の代わりに出てきたのは止まる事無い涙だった。










「なんで泣くんだよ」







翔は抱き締めていた身体を少し離すと困ったように笑った。











『誰のせいで...』








別に泣くつもりなんてなかったのに...






これは嬉し涙なの?









「とりあえず、リビング行こう」








玄関にいる私達。








私は翔に背中を押されそのままリビングのソファーに座った。










「さっき、俺が先に言っちゃったけど榎南も同じ気持ちで居てくれてんだろ?」








泣き止んだ私の背中を翔はまだ優しくさすってくれる。








翔の言葉にさっきまで私が言ってた発言を思い出して今更私は顔を赤くした。