全ての思いを不器用ながらも私は一生懸命伝える。








翔は黙ってただ私の話を真剣に聞いている。










『私は全部翔に助けられてきた。初めて会った時から私はもう翔に助けられていたから』








こんなにも自分の気持ちを伝えた事があったかな...








『死のうとした時だって自分を犠牲にしてまで私と真剣に向き合ってくれた。』








違う。






ここまで話せる人なんて私には居なかったんだ。









『私は...』






私自身を見てくれる。















『翔が...「俺は榎南が好きだ。」








伝えようとした私の言葉は今抱き締めている人によって遮られてしまった。