『あ、はい』






ケータイを取り出して弄り始める琴那さんに私もアドレスを交換する。







「それじゃ、また連絡するわね」






『ありがとうございます』






今はほんとに心のつかえが取れたような気がする。







琴那さんは、手ぐしで軽く髪を整えると緩く微笑みながら私に手を振る。







手を振られた私も笑って手を振り返すと、琴那さんは駆け足で私のもとへ来て何故か私の耳元に近付いた。







『...?』





疑問に思っていると。









「笑ってる方がずっと可愛いわよ」






それだけ言うと琴那さんは店を出ていった。






『...っ』





私は、しばらく顔の熱が取れる事は無かった。