そこには...
あの時翔と一緒にいた女性。
そして私の心のモヤモヤの原因の一人。
私はその場に固まって視線を逸らせなかった。
その人はビシッとスーツを着こなして長く綺麗な軽く茶色に染められた髪が太陽の光で輝やかして...
今の私に向けるには不自然な程の優しそうな笑顔で私に微笑んでいる...
何か言わなきゃって思うけれど、口だけが動いて言葉は何一つ出てこない。
「今…時間あるかしら?」
そんな私に気付いてなのか、また緩く微笑みながら首を横に傾げた。
『は...はい』
つい口が滑っていつの間にか私はこんな返事をしてしまっていた。