「悪ぃ。先に行ってて」
「ふっ。はいはい。分かったよー」
友達は何かに気付いたかのように笑ってこの場を後にした。
『友達はいいの?』
私、もしかして邪魔だったかも。
「榎南ちゃんのせいじゃ無いから」
『…っっ』
私の思っていた事に被せるかのように帝くんは言うから、私は驚いて目を丸くする。
「ねぇ。俺ってまだ友達?」
その声に視線を合わしてみれば、そこには不安げな顔をしている帝くんの顔が近くにある。
『帝...くん...』
ギュッ...
突然抱き締められ揺れる視線。
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