「いらっしゃいませ~」





やけに高い声で迎えられたお店。







今日は一人、美容院に来ている。





胸下まである黒髪を染めてみようと初のカラーリング。







「今日はどのような感じにしますか~?」





お店の人と相談してさっそく髪を染め始める。







「髪綺麗ですね~」






私の長い髪に触れている店員さんと鏡越しに目が合う。






『い...いえ』





私は恥ずかしくなって視線を下ろす。





やっぱり私はこういう場所苦手だ。








「…お客様、終わりましたよ~」





『...ん』






いつの間にか寝てしまっていた私はその声に目を覚ます。






『わ...』




鏡を見ながら私は自分の髪に触れてみる。