手に取ってみれば、きっと拭いたけど、吹ききれなかったのか所々血が残っていた。







これで榎南ちゃんは切った…?






そんな時、さっきの言葉を思い出した。







『さようなら』





さようならって…






そっとハサミの刃に触れてみる。





リストカットにこの言葉…って…







まさか!!





榎南ちゃん変な事しようと思ってるんじゃ!!





でもそれなら何処に!?






早く行かなきゃいけないって事は分かってるけど、どこを捜せばいいの分からない。





それでもここにいるより!!






「…っ…‼」





俺は、持っていたハサミを乱暴に置くと自分の頭痛なんて忘れて必死に走り出していた。