どこか何かを隠すような仕草に俺は無意識に眉を寄せてしまう。 それに疑問を持った途端… 俺の視線の端。 榎南ちゃんの左手は真っ赤な血で染まっていた。 血…? 俺は急いで榎南ちゃんのその隠そうとする手を無理矢理掴んだ。 そのまま榎南ちゃんの顔を見てみれば、しまった。とでも言うような、それでも痛みに耐えている、そんな表情を一瞬見せた。 でも、その一瞬にして強い力で俺の手は振り解かれ彼女が走って保健室から出ていく。 瞬時に振りほどかれた俺の手は力無く下に下りた。