「失礼しまーす」 保健室に誰か入ってくる声が聞こえた。 『…っっ…』 私は、急いで血のついたハサミをティッシュで軽く拭いて元にあった机にハサミを置いた。 「あ…れ?榎南ちゃんじゃん!!」 この声に振り返れば、いつもの人懐っこい笑顔でいる。 『み…かどくん…』 今尚心臓が左手首にあるんじゃ無いかと思う程、ドクドクと強く脈打つ手首。 ズキズキと痛むそんな手首を隠すようにティッシュを急いでその傷口に当てる。 けれどいくら拭っても拭っても鮮やかな血は止まる事を知らない。