遠目からそんな…私の表情まで分かる訳無いと思うんだけど…





とりあえず、必死に笑顔を作ってみるけど、簡単に出来ないものであって…







「榎南ちゃん!!」





まるで子犬が飼い主の元に走ってくるかのように帝くんがやってくる。





この人混みの中、帝くんの大きな声に周りの人から私達への視線が集まる。






うわぁ...



こんな人前で…





それにいつの間にか、名前で呼ばれてるし。






「俺いるの分かってたら、来てくれれば良かったのに。もしかしたら、今日来ないかもって思ったじゃん!!」





私がいる事にホッとしたような顔をするからちょっと悪い事したかな…なんて思った。





『ごめんね。今日…どこいくの?』