屋上では多くの生徒がざわめいていた。
「なんだよここは? いつもの場所と違うぞ」
「ランドマークや、ビルの姿が見えない。あっちにあった森の姿も消えてる」
「地震で崩れ落ちたのか?」
「だったら崩れた跡とかあるじゃん! 道路も何もないんだぜ」
「あんな場所に、森なんかなかったよね?」
「それにあそこの建物、やけに古い作りだぞ。日本のものじゃない」
それもその筈だ。辺りに広がる光景、それは見慣れた光景とはかけ離れていた。
住宅街や、遠くに見えるビル群、張り巡らされた道路や、往来する人々の姿が見えない。
見えるのは、延々と思える荒野、それと鬱蒼と生い茂る森林地帯、近くにはみすぼらしい住宅密集地が見えるだけ。


