【掌編】さようならを教えて

海外のお土産に、冗談で、大好きだった香水をねだったら、

帰ってきたメールには、わたしに香水が似合わないと真面目に書いてあった。



あの頃いつもわたしが使っていた、

ディオールのForever&everの、

ラストノートにかすかにたちのぼるムスクは、

彼に届いてなかったのだろうか?



『秘密の花園』と名づけられた香水をまとって、

そっとそばに近寄ったのは、あのひとの記憶に、

ほこりほども残らなかっただろうか?