首を切った。

笑いながら俺を見つめる目は完全にイっていた。


その辺に転々と赤いペンキが飛び散っている。



「……うわ……最悪」


思わずつぶやき女を眺めた。

俺に執着し、俺の言った一言で人生を終わらした可哀想な女。

もしくは元から死にたかったんじゃねーの?

そんなふうに思ってしまうくらい潔く死んだ。



包丁をキッチンから持ってきた瞬間、俺は殺されると思った。
しかし、女は勢いよく自らの首に突き立てた。


その後のおぞましい光景は俺のトラウマになるだろう。

即死出来なかった女は血を撒き散らし、苦しみもがきながら俺の前で死んだ。