「うぎゃっ!?」


うわ、キモい驚き方―。



「人を呪わば自身にも。自身にも災いが降りかかる…」


「え?………まじかよ?!俺も呪われんのかよ!?つ―か、誰だよ!」


はい、私です。弥生です。なんて、名乗るわけないだろ?バーカ!



案外毒舌な弥生。顔に似合わずといった所だ。


「儀式が中断されれば、自身に災い降りかかりけり。」

「う、そ…だろ…?オイ、助けろよ!」



え、無理。私、神様じゃないもん。
巫女だもん。



「災い、汝に降りかかる」



『ふむ。弥生、もうよいぞ』


―――へいへい。ていうか、榊様。何嬉しそうな顔してるのよ。気持ち悪い。



『我、榊の名において…儀式行いし者を罰す。』



『神疾風。』


かなり強い風が、社の外を吹き散らす。
男は、驚き転けた。


あ―ぁ、どんくさい。


「わ、災いぃぃぃい!」



一体彼は誰を呪おうとしたのかしら?

走り去った男にそう思いながら、弥生は藁人形をつかんでいた。



バカだね、儀式の仕方間違ってたし。災いが起こるわけないじゃない?



男は、藁人形の作り方から間違っていた。


儀式の仕方も違うし。
今、丑の刻前なんだけど?


かといって、呪いが起こらないとは限らない。


「榊様、浄化お願いします。」


『え―メンドクサイ―』


先ほどは、やはり神だと思ったのに。なんだよ、コレ。


面倒くさがりに戻ってる。