「へっ、丑の刻参りって結構簡単じゃん?なんだっけ、呪詛ってやつ?誰にも見つからなかったらいいわけだろ?」


―――見つかるか、うんなもん。夜中に歩き回る奴、いるかっつぅの。
と独り言を喋る男。

………うわ、バカだぁ。しかも、独り言多いし…。


ていうか―見つかってるしぃ―!


「ね、榊様っ!」
一応、ある程度の小声で喋る。

『ふむ。そろそろかのぅ』


あ、あの男焦ってる?

「あれ?!藁人形がねぇ!」


藁人形が抜かれたということは、呪詛は失敗。それに、見つかっちゃってる。
あと、あと、知ってた?


「人を呪わば穴二つ。」

結構大きめで叫んでみた。あ、男に聞こえるくらい。