入学式の日


「佑樹~起きない!式が始まるわよ」

お袋のデカイ声で
目を擦りながらようやく起床

あくびしながら
飯を食べていると

"ピンポーン"
インターホンが鳴った

誰だ?こんな朝早くから

ぼんやりと考えていると
いきなり知らない女から話し掛けられた

「佑樹、大丈夫?
今日は入学式なんだから
さすがに寝たらダメだよ」

いかにも親しげな話し方
誰だコイツ?

「キミだれ?」
「っっ…」

率直な俺の一言に傷ついたのか
その女の目に涙が溢れた