会社に着いてからも、なんとなくさっきの女性が気になった。
終業の時間が過ぎていた。
いつもは1時間かけて帰る道のりも、今日は20分で家に着けると思うと気分よく残業できた。
それでも、30分だけの残業だった。
紀子は会社を出ると、いつものように夕飯の献立を考えながら歩いて駅に向かった。
《亨はいないんだから、ご飯作ることもないのか…》
朝の出来事が頭をよぎった。
《暇つぶしに、話くらい聞いてみようかなぁ…?》
貰った名刺を取り出した。
取り合えず書いてある番号へ携帯から電話をかけてみた。
『はい』
朝と同じ、品の良い女性の声だった。
『あの…、朝お会いしたものですが…』
『まあ。電話くれると思ってたわ。そんな気がしてたの』
と、その女性は明るい声で言った。
『もう、お仕事終わったの?今、どちら?よかったら新宿で会わない?まだお礼もしていなかったし』
『あ、いえ、お礼なんて…』
『いえ、気にしないで。せっかく電話頂いたんだもの。会いましょうよ』
二人は新宿の喫茶店で待ち合わすことにした。
終業の時間が過ぎていた。
いつもは1時間かけて帰る道のりも、今日は20分で家に着けると思うと気分よく残業できた。
それでも、30分だけの残業だった。
紀子は会社を出ると、いつものように夕飯の献立を考えながら歩いて駅に向かった。
《亨はいないんだから、ご飯作ることもないのか…》
朝の出来事が頭をよぎった。
《暇つぶしに、話くらい聞いてみようかなぁ…?》
貰った名刺を取り出した。
取り合えず書いてある番号へ携帯から電話をかけてみた。
『はい』
朝と同じ、品の良い女性の声だった。
『あの…、朝お会いしたものですが…』
『まあ。電話くれると思ってたわ。そんな気がしてたの』
と、その女性は明るい声で言った。
『もう、お仕事終わったの?今、どちら?よかったら新宿で会わない?まだお礼もしていなかったし』
『あ、いえ、お礼なんて…』
『いえ、気にしないで。せっかく電話頂いたんだもの。会いましょうよ』
二人は新宿の喫茶店で待ち合わすことにした。
