他のクラスメイトは携帯をいじったりゲームをしたり。女子はファッション雑誌や芸能人の雑誌を見てキャッキャ騒いでいる。大嫌いな服装な奴やばかり。言わばギャルである。ヴィジュアルの方が良い。ファッションは自由なので痛いとは思わないが……。

 そして時間は経過し、昼ご飯となった。実習は好きな事は出来るが暇である。何かプリント出すとか何か出して欲しいものだ。自分でするのが苦手な俺にとって何かと不便なものだ。


「おーい! 東雲!」

「あ? 何、瑠織?」


 どうせ賭け、だろ? 女を玩具にするな。女だろうと男だろうと人間だ。母親が憎いのは分かってる。だが、関係のない女を傷付けるのは瑠織が悪い。騙される女も女だが俺には瑠織が悪いと思ってしまうのだ。

 瑠織は俺に抱き付き耳元で俺にとってぶち切れる発言をした。俺が一番聞きたくなくて恐怖な発言――……。


「弟の瑠喜、マジ腹立つ! あいつ居なきゃ母さん、病気にかからんかったのに。で、また女、落としたぜ!」

「……んなよっ」

「あ?」

「っざけんなつったんだよ! 弟のせいにすんじゃねぇよっ」


バタンッ!


 誰もいない教室に東雲の声が響き渡った。瑠織(るお)は呆然と立ち尽くす。東雲の過去の半分も知らないのだから、何故声を張り上げたのか瑠織には分からなかった。


「ハァハァ……」


 走って走って屋上に来た。

 俺には10歳離れた兄貴がいる。新風 兵蕗(あらふう つわぶき)。兄貴は母さんの事が大好きで赤ちゃん、俺に妬いたらしい。