「ある物とはなんだ? 人間が必要なのか? 有りのままの姿では無理なのか?」

「……。物とはその、友人を助ける為の薬なのだ。それが人間界に落としたのだ」


 薬……。落とし物は厄介になりそうだな。そもそも人間界と同じ空間に居るじゃないか。空を飛び回っていたのだろか?

 この子、霊感は薄々持ってるみたいだがはっきりとは見えないみたいだ。体力の事も考えなくては――。まずはどう説明したら良いのだろうか?

 暫く霊の様な者に説得をし生徒玄関まできたら意識を返せと言った。その後考えてやるから大人しくしろ、そう何度も繰り返しギリギリHRに間に合った。


「……今日は転校生が来ていますので紹介致します。能力研究高等学校から転校してきたルカ・ラナンキュラスさん」

「奈良 流禾(なら るか)です。宜しく」


 やっぱりハーフか。パンを並べてる人が父親だろうとは思っていたが海外の人だとは喋っただけじゃ、分からなかった。


「ナランキュラスさんは新風さんの隣。一番後ろの窓側の人が新風さんだ」


 奈良って人はコクンと小さく頷きこちらに来た。俺の顔を見ると軽くお辞儀をし、席についた。

クラスメイトは“能力研究高等学校”という前の学校の事に疑問を抱いてる様子。俺も能力研究高等学校は見学した。霊についてや超能力とか、何かの能力を持ってる人の高校なのだ。