新風(あらふう)家は今日もドタバタと煩い毎日が始まろとしている。
新風 東雲(あらふう しののめ)は朝、4時40分に起床。父親である新風 小菊(あらふう こぎく)は4時には起床している。
「おはよう、東雲」
「おはよう、父さん」
東雲は父親と用心棒の妖(よう)と3人暮らし。妖も幽霊ではあるが、ただ単の飼い犬として暮らしている。呼び出したりしまったり出来るようになったので、前よりは楽になった。
母親は東雲を産んですぐに亡くなった。母親の命と東雲の命が2人とも危険だった。だが、母親の麻香(あさがお)が東雲を優先をした。母親ならば、子供を生かす筈だろう。
「東雲、飯」
「いらない、行って来ます」
「ちょっと!」
朝ご飯を食べずにパン屋であんパンと珈琲を買って学校行く。家から学校まで約1時間半くらいである。
「東雲くん、いつもあんパンで大丈夫かい? しっかり食べなさいよ」
「分かってます、行って来ます」
「本当かい? いってらっしゃい!」
学校に行こうと歩きだそうと一歩前進したら背後からドスンッ! と誰かが体当たりしてきた。
「痛たた……っ」
「ルカ! 前向きなさい! お客さんの方が痛いのよ!」
「か、母さん……」