お嬢様は家出少女




俺、あいつが好きなのか?



頭に、あいつの姿が浮かぶ。



きれいって感じだけど、本当はすごくかわいくて…。

誰にでも、その無邪気な笑顔を向けて…。

こんな俺にまで笑顔を見せた。



でも…。

好き…か…。


…そんなわけない。


「そんなわけないだろ」


そう言って、隣のベッドに座っている月斗の足を蹴る。


「痛っ。本当に好きじゃないのか?」

「そうだよ」

「…」


…なんだ、その疑うような目は。


「拓也」

「あ?」

「いつかは、自分の本当の気持ちに気づくさ」

「なんだ、それ」

「今は、気づいてないだけ」

「…」


そう言うと、月斗は布団をかぶった。

…そして、すぐに寝息がきこえた。


寝るの早っ。


…よくわかんねーけど。

岸山が特別ってのはうそじゃないかも。