――ザワザワ…

「…じょうぶかい。」

死んだはずの渚の耳に声が聞こえた。
ってことは私は生きているのか!?とっさにそんなことを考えてしまう。

…でも、私は撃たれて死んだはず。しかし誰かに体を揺すられた。


「大丈夫かい。お嬢さん。」

うっすら目を開けると数人の男に囲まれていた。

明らかに気持ちの悪い目線で渚を見ている。彼等の一人が渚の太股に触ってきた。


――ゴン!


渚はその男を殴っていた。2・3メートル飛んで気絶してしまった。

よえー男だ。と渚は呟く。

「テメェー。おなごと思うて優しくしてやりゃあ…」

後ろの男が真剣を構えた。

北辰一刀流かぁ。構えかたで瞬時に分かった。渚は竹刀を取り出した。そして北辰一刀流の構えになる。


――バキバキ


真剣を相手では竹刀が折れてしまった。
お気に入りだった。園長から貰ったものだったからだ。