「聞いてないんじゃね?」

「マジかよ〜(笑)」

「もう一回聞いてみれば?(笑)」

「佐野〜?」


まさか私のことだったの?

失礼なことしちゃったな私…


「なにぃ?」

「松田ってキモくね?」

「松田って」



コソコソと話しながら

麻衣を指差す。


「そう、こいつ。」

え?さっきまで

楽しそうに話してたじゃん。


もしかして瞬も麻衣のこと



嫌い…なの?


「えぇ?なんでー(笑)」

「キモさに
理由なんてあるか?」



「ないか!(笑)」


確かにキモさに理由なんて

ない。


「うん、キモいと思う(笑)」

「だよな(笑)」

「でもさっき話してたじゃん」

「お前のキモさはギネス級だよ
って言ったらあいつが
ありがとうとか言ったから
笑ってたの(笑)」


「ギネス級とか(笑)」

「よくあんなきもち悪さで
友達いるよな」

うんうん…


「その友達もみんな
キモいけどな(笑)」


ああ!
言っちゃったよ!南!

南は瞬の後ろの席の


南 隆
minami takashi