それ、ください





思わずそのピアスを見つめて固まってるあたしに、何を勘違いしたのか




「ほらアホ。困っとるやんけ」




と、その隣の関西弁の彼が言った。




この中では、一番ガラが悪く見える。




赤色の髪をワックスで遊ばせていて、ピアスは両耳にたくさんついている。




「何よぉ~っ!葵(アオイ)だって“可愛い”って思ってるくせにぃ!」



「あぁ!?杏華(キョウカ)…それ言うたらアカンやろ!」





彼らの言い合いで、その場に立っていたことにハッとした。





こんなのに、関わってる暇なんて、あたしにはないんだ。




とっとと買い物を済ませて、帰ろう。




そう思って、黙って横を通り過ぎようとしたのに。




「…ねぇ、アンタさ」




さっきまで黙っていた金髪の彼が声を出した。