それ、ください





家にある、唯一の小さな机。




一緒にご飯を食べることなんかないんだから、大きな机は必要ないのだ。




その上に置いてある、札。





今日は…5万円か…





母親にはあたしよりも大事な男がいる。




その男が誰なのかは知らないけど、母はその男とほぼ同居状態だ。




あたしのお金がなくなったころにたまに帰ってきて、勝手にお金だけを置いて帰る。





一応は、“親”なのだ。





父親は…覚えていないくらい幼いころに出て行ったらしい。






家庭なんて温かいもの、存在しない。





あたしは信じない。家族愛なんて、所詮は口だけなのだ。