その2つの声に迎えられた光を、あたしは羨ましく思う。 その声が返ってくるのに、ずっと憧れてた。 …もう、慣れたけど。 「あ、椎が起きてる!おはよ~♪」 目を擦るあたしの前で、杏華は手をブンブン振りながら言った。 「おはよ…」 決して寝起きが良い方ともいえないあたし。 正直、一人だったらもう一度眠るところだ。 挨拶は少し無愛想だった。