「…ただいま」 そんな声で、目が覚めた。 あたし、眠ってたんだ… 昨日一睡も出来なかったせいもあるかも。 まだボーッとした意識の中で、目に入ってきたものは“金色”。 それを光の髪だと認識するのは、寝起きのあたしにとって、だいぶ時間のかかるものだった。 「お、帰ったな!金髪野郎っ」 相変わらずの杏華の声。 「おかえり」 美海の声は、やっぱり少し素っ気なかった。