それ、ください




「ねえ、何ならさっ、椎もこの部屋に住んじゃえば?」




さっきまで振り回していたマグカップを、テーブルへと置きながら杏華が言った。






今度のは少し驚いた。





家に呼んだ理由すら聞いていないのに、あたしが住んでもいいの?





しかも、ここは光の家だし。







…杏華の提案に、賛成は出来ないよ。







「ううん、ありがとうね。でも大丈夫だから」






精一杯、優しく返した。





…でも多分、顔は笑ってない。






だって、本音を言えば“住みたい”って思ってる。