それ、ください




「え…」



“家来れば”



たったそれだけのことを理解するまで、少し時間がかかってしまった。




仮にも、今日初めて会った仲。



友達でも何でもない。知り合いにすら、及ばない。





そんなあたしを家に誘った美海は、一体何を考えているのだろうか。




何か、企みでもあるんじゃないか。





自分でも最低だと思うほど、相手を疑った。




可愛げのない考えばかりが頭に浮かぶ。





あたしをこうさせたのは、全部“過去”。




全部、全部、“人”。





これ以上、関わりたくなかった。