君を感じて生きる世界



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曲が流れはじめると不意に彩が話しかけてきた。

「誠。勝負しよ?勝った人が昼飯をどこで食べるかを決められるってどう?」

「いいねぇその勝負!」

「じゃ決まりねー」

曲が前奏から歌詞のある部分へ入ろうかというところ。つまり勝負の始まり。

「「いざ勝負!」」

あまり大きな声は出さなかったが、二人の声がハモり、体が曲に合わせ揺れ、ギターを弾き始める(実際は左手でボタンを押して右手で弦代わりのストックを弾く)

ほとんど体の動きが同じ。

二人ともミスがなく、タイミングの良さで点数が変わるので、その点で勝負する。

「あ!」

声をあげたのは僕だった。ボタンの押し間違いでミスをしてしまったからだ。

この時点で勝負が決まる。1曲目は彩の勝利。

彩が976,860点。

僕は968,415点だった。

「まず私の勝ちだねー2曲目は誠が選んでいいよ」

「次は絶対負けねー」

二曲目は俺の得意な曲を選ぶ。

「む。やっぱりそれか」

「絶対に勝てるの選んでみた」

この曲は緩急がついていて、タイミングをずらされてしまう。そこをどうミスしないかがポイント。