君を感じて生きる世界



というわけで今映画館にきたのだが、ものすごい列。五列で並んでるのに、入り口からはみでている。今日から上映する人気のある映画目当ての人が主だろう。

そして彩が観たいというのは感動ラブストーリーで、最近はそんなに見に来る人はいないが、見に行ってきた人に聞くと本当に泣けるらしい。

彩にしては珍しいチョイスだったので(いつもはアニメとか、アニメの実写等)聞いてみたら、

「本当に泣けるか試してみたい」

だそうだ。たぶん友人に観た方がいいと勧められたのだろう。

とりあえず列に並んでみたものの、まぁ狭い。二人で横に並んでいるが、周りも人がいるってぎゅうぎゅうで結局寿司詰め状態。

彩は顔を伏せ、僕に寄り添っているような体勢になっている。割と照れてしまう。

「誠、変なこと考えてない?」

「考えるか!」

「ならいいけど」

顔を伏せているはずなのになんか心が軽く読まれているみたいで怖い。

あ、一応言っておくけど僕たちは付き合ってなんかいませんよ?ただの友人です。

列は少しずつだが前に進んでいて、数分後チケットを買えた。もちろん僕の金で。

しかし、上映まで一時間近くあるためゲーセンへ行こうという話になった。


    ◇


さぁ四階のゲーセンに到着

「彩、なにやる?ダンレボ?」

「あれは汗かくからヤダ。あれにしよ」

指を指した方向にあるのはギターがニホンあった。

ギターには弦の代わりにボタンが5つついていて、画面の下から上がってくる色のバーと同じ色のボタンを押してタイミングよく弾くと点が入るというゲーム。

二人で動じプレイ可能で、同じ機種のドラムとも連結ができ、最大三人でできる。

「オッケー。久々にやるからレベル下げるか?」

「一番難しいのでいいよ。多分大丈夫でしょ」

一番難しいでやると超高速でバーが流れていき、数もやたら多い。僕と彩はゲーセンの音ゲーは大抵やりこんであるため、何でもできる。

しかし僕は太鼓の達人、彩はユービートが苦手である。

さぁ俺のおごりで、ゲームをプレイ。二百円の出費だ。

カードを入れ、暗唱番号入力。データロードが完了し、曲選択画面へ。

二人とも特にやりたい曲もなく適当にいつもやっていた曲を選択しプレイ。