君を感じて生きる世界



まさかこんなところで再会できるとは思ってもいなかった。

「ホントにまこっ君?」

「そうだって言ってるだろ?お守りでわかるだろ」

「まこっ君!」

僕の名前を呼ぶなり、思いっきり飛びついてくる。体が倒されそうになるが堪え、受け止めた。

「急に飛びついてくるな!危ないだろ?」

「いいじゃんかー久々の再会だぞ、少年?」

「確かにそうだけどさ」

そうなんだけどさ、人前で普通に抱きついてくるなよな、勘違いされちまうし。わりと恥ずかしいし。

あとアレが当たってるしさ・・・

「ん?なに赤くなってんの?」

「べ、別に?そんなことよりメアド交換・・あ、ケータイ家だったか。なんか紙に書いて教えてくれないか」

愛奈から取りあえず離れ、忘れないうちに聞いておく。

僕は鞄の中に手をつっこんで、メモ帳とペンを探す。確かこれぐらいは入ってたはずだが見つけられない。

「はい。これ」

と愛奈のメアドが書いてある紙を僕の顔の前に出す。

「お、サンキュー」

その紙をもらい財布の中へしまう。

「わりぃ今日帰ったらメールするわ」

「うん待ってるよ」

「人待たせてるからもう行くな。受かってると良いな」

「うんありがと」

と手を降ってお互いに逆の道へ進む。

愛奈がものすごく美人になっていたことも驚いたが、性格も変わってないことにも驚いた。

しかしそんなの思っているわけにはいかない。急いで門まで行くと、案の定。ものすごい不機嫌な顔をした彩がこちらを見ていた。

「わ、わりぃ待たせたか?」

「別にぃ。君が誰とイチャついていようが私には関係ないし」

「イチャついてねーよ!水泳の知り合いだ」

「抱きついたりするんだ知り合いが」

「そういう奴だったんだよ!」

ふーん。とだけ言ってそっぽを向いてしまう。

「すまなかったって」

「だから別に怒ってないって。とにかく映画館いこ?見たいのあるから」