人混みが緩やかなところへ行くと、彩はすぐに離れ、門の方へスタスタと歩き出す。
「二人とも受かってたんだから約束通りおごってよ」
「当たり前だろ。どこに行こうか?」
彩に追いつこうと少し駆け足で行くとき、二人の女子高生とすれ違った。制服は見たことが無くどこかもわからない。
しかし1人がつけていたあるものが目に入る。鞄についていた僕と同じように古びたお守り、ピンク色の縁結び。
もしかして。
「彩、わりぃちょっと待っててくれ」
「え?ちょ、誠?」
呼ばれたが今はかまってられない。とにかく走る。
さっきの人たちの後ろへ行き、声をかけた。
「愛奈?」
あの名前を呼ぶ。
するとお守りのつけていた髪の長く人が、驚いた顔をして振り返る。
僕は思わず、見とれてしまう。
白い肌に、黒密のような長い髪、顔立ちやスタイル、すべてがトップクラスレベルだった。本当に愛奈なのか不安になるくらいに。
そんな彼女は首を傾げこちらを不思議そうな顔で見つめていた。
とにかく鞄の中からお守りを出してみせる。
「もしかしてまこっ君?」
お守りと僕の顔を何度も見比べて聞いてくる。
「そうだよ愛奈、ひさしぶり」


