(side美鈴)

起きたのは9時前だった。

まだ眠い目を擦り、リビングに向かう。

今日は10月15日、日曜日。

仕事も休みで、やる事もない。

何しようかな・・・。

―――ガチャッ

そう思いながら、ドアを開けた。

小さな欠伸をひとつする。

家には誰もいないのか、静まり返っていた。

賑やかしにテレビをつける。

そして、椅子に座った。

その時だった。

「・・・何これ?」

テーブルに何かが置いてあった。

気になって、それを手にとって見てみた。

葉書?

それは、お母さん宛のモノで。

裏を見た。

「・・・えっ!?」

驚いた。

嘘・・・。

婚約するとは聞いてたけど、まさかこんなに早いなんて・・・。

“美鈴”

彼女の笑顔を思い出した。

私は急いで、ある人に電話をかけた。





ねぇ、隼斗。

あんた、大事な人を忘れたままでいいの?

あんなにも愛してたくせに。

葉書の裏に書いてあった事。

それは・・・、





“婚約発表会のお知らせ”





そう書かれた文と。

“10月15日(日)11時~” 

今日を表す日付と。

“柳雅也 桜井満奈”

2人の名前だった。