(side満奈)

あと、2日・・・。

気がつけば10月に入っていた。

今日は13日。

明後日にはもう、婚約発表会が控えている。

衣装も決まったし、会場も見に行った。

当日は、たくさんの偉い人達が来るらしい。

あたし・・・大丈夫かな?

ちゃんと笑えるといいけど。

「・・・あ~ぁ」

金曜日の午後。

適当な理由をつけて学校を休んだあたし。

雅也との家の自室で、背伸びをした。

やる気が出ない。

経済の勉強も、全く頭に入らない。

ダメだな、あたし・・・。

仁菜はもっと勉強してたのかな?

・・・そりゃそうか。

小学校も中学校も、あたしと違うもんね。

仁菜は受験で小学校入ったから。

相当頭いいんだろうな。

って、仁菜と比べちゃダメ。

仁菜は仁菜、あたしはあたし。

気分転換に、洋楽を聴いた。

好きな歌なのに、全然集中できない・・・。

何でだろう?

こんなにも心が、暗くて重い。

ふと、壁に目をやった。

そこにあるのは、明後日に着る予定のドレス。

淡いピンクのショートライン。

お母さんが選んでくれたんだ。

可愛いし、嬉しい・・・けど。

あたしは、隼斗がくれた赤のベアトップの方が好きだな。

“今日の満奈は、すげぇ綺麗だよ・・・”

そう言ってもらえて、身体中が熱くなった事を今でも覚えてる。

・・・でも。

隼斗は、何も覚えていないんだ―――。

そう思うとやっぱり、心は重くなった。