(side満奈)

「・・・はい、もういいですよ」

そう言ってにっこり笑うお医者さん。

「ホントですか?ありがとうございます!」

あれから3週間が立った。

あたしの腕が、無事に完治いたしました!

仕事は休み。

付き添ってくれたお母さんに、寮まで送ってもらった。

隼斗は今日・・・学校行くって言ってたな。

それまで何しよっかな?

「着いたわよ」
「ありがと~、お母さん」

車からひょいっと降りた。

そしてお母さんと視線を合わせる。

「頑張りなさいよ。何かあったら頼ってね」
「うん!」

大きく手を振って、お母さんと別れた。

次に会うのは、正月かなぁ。

仁菜やお父さんにも最近会ってない。

今度実家に帰ろうっと。

人のいない校庭は寂しそうだった。

そこを1人で歩いて、寮に向かう。

―――――ガチャ

「ただいま」

部屋のドアを開けた。

おぉ・・・。

手が使えるぜっ!

それからあたしは意味もなく手を動かしてみた。

おぉ・・・。

なんだかよく分からないけど感動する。

・・・そうだ!

久しぶりに料理をしよう!

それから冷蔵庫を開けて、材料を確認する。

・・・うん、あるね。

今日はアレを作ろう!

包丁を片手に持って、野菜を切ろうとした。

その時。

―――――ガチャ

「ただいま~。・・・満奈?」

玄関から、隼斗の声がした。