- バリル不明 -
バリルはお母さんの目を離れてぽつんとひとりぽっちです。
ちょっと心細そう。
でも、しばらくすると元気に走り回りはじめました。
一方、お母さんの方はというと、急にバリルがいなくなったもんですから、心配でたまらない風です。
可笑しいったらありません。
木の陰を探したり、泥あび場に戻ってみたり、見たこともないスピードで駆け回り、必死にバリルを探し回っています。
最初は面白がっていた私でしたが、それも何だか飽きてきて、バリルを戻してあげることにしました。
さっきの草原でバリルの姿を探します。
しかし、どこへ行ってしまったのか、バリルは見つかりません。
ちっちゃいので草の陰にでも隠れているんでしょう、なかなか探し出せません。
その間もお母さんはずっとバリルを探していました。
どの位たったでしょう。
だいぶ薄暗くなってきました。
まだ、バリルは見つかっていません。
私だって放っておいたわけではありません。
草原をずっと探していたんです。
それでも、まだ見つけられずにいました。
「あーぁ、めんどくさっ。変な事しなけゃよかった」
その時です。
突然バリルのお母さんが走りはじめました。
ものすごい勢いで、ずっと先にいたハイエナに向かって突進していったのです。

