魂までも奪ってしまうような契約を…。
こんなにも魂が合致したことがあっただろうか?交錯する赤と青の螺旋…。




白い体に青い花が咲いていく。肩から背中にかけて…。
紋章が刻まれる。




「あっく…。」





銀の後輪が溶けていく。





なんだ?





銀色の宝冠が完全に消える。
体内に消えるようだった。





炎が拘束をとき…。自らのマントで所有物を包んだ。





「契約成立だ。」
不敵に笑うバンパイアはそう言った。





もう後戻りは出来ない。
私は…真っ直ぐ進んで行くと誓う。
主よ。どうか私の願い聞き届けたまえ…。きっと、見つかるはずだから。




白い肌がさらに白く見える。
アラバスターのような美しさ…。





悪魔の所有物となった聖女は何を望み、何を残したか…。





それは希望か絶望か…。





廻る魂が無垢な少女…。
交わることのない二つの魂が…。





鏡は見ていた。







鏡の破片がいくつもの通り過ぎ…。
少女の体に刻まれる。





それは前世の記憶か…。それとも現世に蘇る何かか?





聖女は境界線にたどり着く。
紅い瞳のバンパイアと共に…。





何かを得るために何かを捨てて…。





それでも願わずにはいられない。





主よ。どうか私の願い聞き届けたまえ…。きっと…。きっと…。





…。があるはずだから。





破滅の悪魔に…。






恋をした…。






主よ。どうか私の願い聞き届けたまえ…。