闇の境界線は異様な風に包まれた。





何処からか聞こえた鷲の声…。
「セブンハウンドの力を見せよう。」






先頭を切って走り出す「女相手はあんまし好かないけどな!」
銀の弾丸が連写され氷の双剣が弾き飛ばす。





接近戦に持ち込む。
「あんた…。動きがいまいち鈍いな!」





脇腹を弾が掠めた。
「いいえ。それはお互い様では?」





シアンの髪が切り裂かれて散る。





「ターゲットはあんたでいい。おもしろい…。」




「お誉めに預かり光栄です。」
霧が充満する。





「小僧!気をつけろ!」




「わかってる!あんたこそよそ見すんな!筋肉の固まりのくせに!」





火花を散らす剣と剣。
「そろそろ果てよ…。」




碧眼の剣が変形する。
一本の刀が針のように別れて伸びる。





獅子の体に爪をたてていくように食い込んだ。





血が流れていた。




「最後まで手の内は見せないものだ。」





「ぐっ…。」





聖剣を突き立て精霊を召喚する。
「リオン!」






走り出すユニコーンの前に立ちはだかる風見鶏。





白く濁った瞳から強風が向かって来る。
切れ味抜群の風の刃は血を吸うように赤い流れを作り出す。





「かまいたち…。」
赤い流れは風見鶏の口に吸い込まれていく。






「くっ!」






碧眼のバンパイアが弾かれたように走り出す。





精霊が呼び出され光の雨が降っていた…。
光が碧眼のバンパイアを貫く。





風見鶏が叫んだ。
「バンドー!!」






光に火傷を追う碧眼のバンパイアは最後まで剣を握りしめ獅子の体を狙う。





「では…。最後の手を。」





眼帯に手をかける…。






濁った瞳が翡翠の瞳に戻って叫んだ。
「バンドー止めろ!」






「影の剣は影にあり、我等は王の剣…。虫けらごときに。」





眼帯の封印を解く。
闇が溢れだす。





舌打ちした風見鶏は犬を吹き飛ばしグラスを抱えた。





「消え去れ虫けらよ。影の力…。エクスプロジオン!」





闇が爆発し光が消える。
碧眼のバンパイアは闇に溶けた。






「!」





光と闇が混じり境界線は無となる。